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「ハンサムマザー」はとまらない:35

VERY・今尾朝子編集長が振り返る

 カバーモデルとして表紙を飾るようになって9年と3カ月、8月6日発売のVERY9月号が井川遥さん(女優)の最後の表紙となりました。9年前の井川さんはちょうど結婚されたばかり。その後、1人目を妊娠、出産。表紙は妊娠中に撮りためた写真を使い、穴をあけずに復帰してくれました。彼女と同時期に初めての育児に奮闘中の読者や、子育てと仕事の両立を模索する読者は、仕事のジャンルは違えど、少なからず共感したと思います。

 抜群のスタイルにオシャレのセンス、所帯じみていないのに母らしい表情……。第2子出産後の井川さんは、読者の関心を一層集める存在に。「結婚してから、ますますすてきになった」というのは井川さんに対してママたちが使う枕詞(まくらことば)。2児の母になっても女らしさを増していく彼女の存在が、同世代の読者の励みにもなりました。

 9年前というのは、私が編集長に就任した頃で、可愛いママという褒め言葉よりも、かっこいいママと言われるほうがずっとうれしい、というマインドの読者たちが増えていることに注目した時期。服で例えるなら、お母さんらしい服にとらわれず、自分らしくライダースでもダメージデニムでも取り入れられちゃう人たち。時を同じくして井川さんに出会い、まさにそんな“かっこいいお母さん”の1人だと感じたのを覚えています。その後、誌面でハンサムマザーという言葉を多用するようになりました。家族のためと自分のためと両方頑張ることを諦めない、家族の選択を夫任せにしないことを公言するママたちの出現でした。

 今月号では、井川さんが家でよく作るという、あさりの海鮮スープを披露しています。子供たちの大好物なのだそう。好き嫌いもあるなかどう栄養をつけておなかいっぱいになるかを考えて、いきついたレシピだとか。普通なら麺を使いたくなるところを、作り置きしておいても伸びる心配のない細切りの干し豆腐を使っているところがアイデア。目が回るくらい忙しい毎日にも、家族への愛情があふれている。そんなところが読者と一緒だからこそ、こんなに長く読者から愛される存在だったんだと、改めて思います。(VERY編集長・今尾朝子)