宮内庁は5日、天皇陛下がお気持ちを表明したビデオメッセージを8日午後3時に公表すると発表した。天皇の位を皇太子さまに譲る考えを周囲に示していた天皇陛下が、象徴天皇としてのお務めについての考えを、自ら示す内容になるという。

 ビデオメッセージの形式は、2011年3月の東日本大震災後に天皇陛下が国民にお気持ちを表明して以来2度目。宮内庁は「天皇陛下のお言葉、お気持ちが国民に確実、正確に分かりやすく伝わるのに一番ふさわしい方法」と説明した。

 お気持ちは約10分間にわたり、天皇陛下が自ら用意した原稿をカメラに向かって読み上げるという。テレビ各局が放送する予定で、宮内庁のホームページでも見ることができる。

 陛下が生前に皇位を譲るには皇室典範の改正が必要だが、憲法で天皇の政治的発言は禁じられている。そこで、退位などの表現は用いず、象徴天皇としての思いを表明する内容になりそうだ。英訳も宮内庁のホームページで公表されるという。

 宮内庁の山本信一郎次長は5日、「陛下が国民一人一人にお話しされることになった。大変重いことだと思う」と説明。事前に表明の日時を公表した理由については「多くの方々に関心を持っていただきたいため」と話した。

 お気持ち表明の日程をめぐっては、8月初旬に公表する案もあったが、すでに決まっていた公務のほか、広島、長崎の原爆の日にあたる8月6日と9日、全国戦没者追悼式の15日を避け、8日に決まった。リオ五輪開催中でもあり、競技日程と重ならない時間帯として午後3時に設定したという。

 安倍晋三首相は8日中にも記者団の質問に答える形で、政府としての受け止めを示す方向で検討している。大島理森衆院議長と伊達忠一参院議長もそれぞれ、コメントを発表する方向で調整している。(島康彦、多田晃子)