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(碓井豌豆)

 エンドウの一種、ウスイエンドウと言えば、和歌山産が思い浮かぶ。和歌山県の生産量が全国の大部分を占める。しかし、発祥地は大阪府羽曳野市の碓井(うすい)地区で、ウスイの名もこの地名から付いたのだという。

 碓井地区は大和川支流の石川沿いにある。水はけのよい砂地の畑が連なる。近くには巨大前方後円墳、応神陵古墳がある。

 地区の農家松倉勝さん(76)を収穫の盛りの5月に訪ねた。

 妻の洋美さん(75)が豆ご飯を炊いて待ってくれていた。豆の緑がご飯に映えていた。ほおばると、甘みが口に広がった。

 この豆、ただのウスイエンドウではないという。明治時代から地区に伝わる品種で、「碓井豌豆(うすいえんどう)」と表記される。

 そもそも、ウスイエンドウは米国から伝来したブラックアイドマロウファットという品種だった。甘いのが特徴で、碓井地区がいち早く栽培し、「碓井豌豆」と名づけたが、サヤが小さく、次第に豆の数が多い改良種に切り替わっていったという。

 「そやけど、碓井の農家は自家用に元の品種の栽培も続けてきたんです。うまいから。その種がこれです」。松倉さんが封筒から取り出して見せてくれた。松倉さんを含め一部の農家が代々、確保してきたという。

 この品種が伝統野菜に認証されたのは2008年。松倉さんらが古い文献も集めて府に働きかけた。昨年に市とともに保存部会を発足させ、元の種を使っていることを証明する専用シールを作成。保存部会に入る市内の約40人が使える仕組みだ。

 ウスイエンドウは和歌山県で約2400トンがつくられている。「紀州うすい」で通じ、推定で全国生産量の9割ほどを占める。大正期ごろに生産が始まり、県が病害に強く多収性の品種を選抜。ハウス栽培で出荷時期を拡大し生産量を増やした。

 これに対し、本家の碓井豌豆は年間約2トンと少ない。地元の道の駅「しらとりの郷・羽曳野」で春に500グラムが400円で販売されるが、人気ですぐに売り切れてしまう。

 定番料理は、やはり豆ご飯。洋美さんによると、豆は事前に塩ゆでをする。コメをとぎ、塩を若干加えて炊いて、吹き上がるころに、豆を加える。最初からコメと一緒に豆を炊く方法もあるが、後から加えた方がきれいな緑色が出るという。

 私はためしに生のままでも食べてみた。青臭みはなく、ほのかに甘い味がした。

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