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 超高校級。そう称される2人の3年生左腕を擁する履正社(大阪)が、8日の大会第2日第3試合で高川学園(山口)との試合に臨み、5―1で破った。激戦区の大阪大会を勝ち抜いた2本柱。競演の舞台は甲子園に移り、頂点をめざす。

 この日の先発は、ゆったりとしたフォームから力のある速球を投げ込むエース寺島成輝君(3年)。相手打線をぐいぐい押し、完投勝利した。奪った三振は11、被安打2に抑えた。

 柔らかに腕をしならせながら、伸びのある直球を繰り出す背番号10の山口裕次郎君(3年)が控えに回った。

 入学当初の山口君にとって寺島君は、先を行く存在だった。球が速く、変化球も豊富に見えた。同じ1年生でも「何かが違った」。

 寺島君は1年の夏から背番号18でベンチ入りして登板。元々力があった直球に加え、変化球や牽制(けんせい)球などの技も日々高めていった。2年の夏。寺島君は背番号11で「事実上の決勝」といわれた前年夏の全国優勝校・大阪桐蔭との初戦に先発し完投。1―5で敗れたが勝負どころを任された。

 一方、山口君が初めて公式戦に登板したのは、昨秋の府大会初戦だった。六回コールドの参考記録ながら無安打無失点デビュー。だが、大阪桐蔭との準決勝、近畿大会への出場がかかった3位決定戦は、寺島君が1人で投げ、各2失点、1失点に抑えながらも敗れ、春の甲子園出場を逃した。

 「両左腕」と並び称されるようになったのは冬を越えてからだ。春の府大会では、決勝の大阪桐蔭戦を山口君が完投。5安打1失点に抑え、大阪桐蔭との公式戦で2年半ぶりに勝利した。近畿大会決勝も選抜優勝校・智弁学園(奈良)相手に山口君が先発。5回を無失点に抑えて寺島君が継投し、6―0で勝った。

 「負けられない。刺激をもらういい存在」と寺島君が口にするようになった。山口君も「寺島がずっと1番。最後の夏は一番頑張った人がエース」と励んだ。

 迎えた今夏の大阪大会は準々決勝と準決勝が山口君、決勝は寺島君が登板。8試合を計4失点に抑えて制した。岡田龍生(たつお)監督(55)は「寺島、山口という一本立ちできる投手がいるのが大きかった」と言う。

 「山口がいい球を投げていると気合が入る。決まったときは、球がゴオッとうなって自分よりもいい球」と寺島君。山口君も「やっぱり背番号1は寺島」と信頼を寄せる。試合の先発が決まると「任せた」のひと言を交わすだけで十分という。8日の試合も2人は信頼し合って勝利をもぎとった。(荻原千明)

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