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 約3カ月の夏休みを取る中華料理店が、名古屋にある。半世紀近く店を切り盛りしてきた店主夫婦は「再開は涼しくなってから」と話す。店を慕う常連客たちは、秋の到来を心待ちにしている。

 名古屋市昭和区の「平和園」は今年、7月1日から夏休み中だ。開店時から変えていないという店頭のサンプルは日に焼けて変色している。取材で店を訪れ、のれんをくぐると、山田朝一(ともかず)さん(81)と手伝う妻の澄子さん(70)が迎えてくれた。パイプ椅子が置かれたテーブル席、手書きのメニューが貼られた赤茶けた壁……。「昭和の中華店」の雰囲気だ。

 約3カ月の夏休みは10年ほど前から取り始めた。暑さで疲れが取れず、医師から「休まないと病気になります」と忠告されたのがきっかけだ。「夏の厨房(ちゅうぼう)はサウナと同じ。若い時は頑張れたんだけどね……。無理せず店を続けたい」。朝一さんはそう言って頭をかく。

 店は1969年、市内の中華料理屋で約15年間腕を磨いた朝一さんが開いた。その年に澄子さんと結婚。店内はほぼ当時のままだ。看板メニューは500円の特製チャーシュー麺。チャーシューは前夜のうちに作り、醬油(しょうゆ)ベースのスープは朝に仕込む。「おいしいものを安い値段で」という思いを込めた。

 懐かしいラーメンの味と、風情あふれる店の雰囲気がインターネットの情報サイトに書き込まれ、県外からも客が来るようになった。県内外のラーメン店を渡り歩く名古屋市瑞穂区の会社員桐畑徹也さん(44)は約10年前から通う。「夏休み中にも食べたいと思うことがある。秋が来るのを楽しみにしています」。桐畑さんのように、10年以上通う常連も多い。

 毎年6月になると、「しばらく…

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