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 インターネット上の不都合な個人情報を消す「忘れられる権利」を欧州連合(EU)の司法裁判所が認めてから2年。検索最大手グーグルは欧州で、削除要請に応じる態勢を整えてきた。どんな課題が浮かび、「忘れられる権利」は今後どうなっていくのか。グーグル法務顧問のピーター・フライシャーさんに聞いた。

 自分の名前を検索すると10年以上前の社会保険料滞納の情報が表示される――。EU司法裁判所が2014年5月、スペイン人男性の主張を認め、検索結果の削除義務をグーグルが負うとの判決を出した。「忘れられる権利」が認められたと世界的な注目を集めた。検索結果が示す元の情報は、グーグルではなく、メディアなどが発したものだ。だが、判決は掲載目的や時間経過を踏まえて「不適切で必要性がなく過剰」な場合はグーグルが検索結果の削除義務を負うと判断した。グーグルは要請を受けた場合には検討し、必要なら削除の義務を負うことになった。EU域内の削除要請を受け付ける態勢を整備し、初日だけで1万2千件の申請があった。

 ――この2年間に、どのようなことが起きていますか。

 「新しい権利が生まれ、EU司法裁判所の判断が出てから、欧州ではすでに150万件の削除依頼が来ています。あらゆる種類の依頼が寄せられている。1件1件を、グーグルは裁判所のように検討し、処理していかなければなりません。大変な作業です」

 ――どのような依頼が多いのでしょうか。

 「専門的な職務にある人が、自分の過去に関する検索結果を削除して欲しいというものです。医師や歯科医が医療過誤で訴えられた過去を削除して欲しい、と。また、詐欺行為をした企業、贋作(がんさく)を扱ったアートディーラー、政治的な見解が転向した政治家、過激派の活動に加わったことがある公務員からの依頼もあります。変わったものでは、ピアニストがコンサートを開いて、とてもいい反響だったのですが、自分では満足できなかったから削除してほしい、という依頼がありました。また、自分の画法を変えた画家が、かつての画法で開いた展覧会の情報をすべてなくして欲しい、というのもありました」

 ――どういう基準で削除の可否を判断しているのでしょう。

 「基本的に、削除は例外でなくてはならず、正当な理由がなければならないと考えています。その上で、プライバシー権と、情報に対する公共のアクセス権のバランスをどうとるのかを考えます」

 「罪を犯した人の検索結果なら、どのくらい前なのかという時間的要素、犯罪は軽微なものか、公共性の高い犯罪か。私人の軽微な犯罪歴は、削除の判断になりやすいでしょう。犯罪被害者の名前を削除して欲しいという依頼もよくありますが、これも削除する方向で検討されます。個人の私生活に関わること、青少年や児童に関することは、削除する方向です」

 ――ほかに重視する要素はあり…

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