「安倍マリオ」地球の反対側からワープ 閉会式で演出

宮嶋加菜子、原田亜紀夫
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(21日、閉会式)

 雨が降り、冷たい風が吹きつける夜のマラカナン競技場に、軽快なサンバが鳴り響いた。各国の選手たちは、ビニールの雨がっぱを羽織ってリオデジャネイロ五輪の閉会式に登場。踊ったり、はしゃいだりして祭典のフィナーレを楽しんだ。

 日本の旗手を務めた陸上男子10種競技の右代啓祐(30)は、前回のロンドン大会に続く20位で戦いを終え、ほっとした表情で日の丸をかかげた。

 陸上男子400メートルリレーで、歴史的な銀メダルを獲得した山県(やまがた)亮太(24)らも晴れ晴れした表情で入場した。地元ブラジルのテレビは日本選手団の入場に合わせ、日本が陸上や柔道で躍進したと紹介。メダル獲得数について「ベスト3に入る日も近いかもしれない」と述べた。

 今大会、若い選手たちの奮闘が4年後の東京五輪に期待を抱かせた。

 体操の白井健三(19)は団体で金、種目別跳馬で銅。ただ、得意の種目別ゆかではメダルを逃した。演技後「内村(航平)選手の後継者として人々に感動を与えられるよう、日々精進していきたい」と語った。

 陸上の桐生祥秀(20)は400メートルリレーで銀メダルを取ったが、100メートルでは9秒台を期待されながら予選落ち。競技を終え「東京五輪までには成長したい」。池江璃花子(16)は競泳日本代表で最多となる7種目にエントリーし、12レースを泳ぎ切った。100メートルバタフライでは5位入賞。同い年の金メダリストに刺激を受け「努力をすれば自分も世界のトップ選手になれないことはない」と思いを新たにした。

 式が終盤にさしかかると、リオデジャネイロ市のパエス市長から国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長を経て、小池百合子東京都知事五輪旗が引き継がれた。慣例の「フラッグハンドオーバーセレモニー」(五輪旗の引き継ぎ式)は10分間。東京が、大会のビジョンや都市の魅力をお披露目する機会だ。

 冒頭、会場に流れた映像は「世界への感謝」。東日本大震災の被災地などで、事前に撮影した総勢約1万人による人文字の「ありがとう」が浮かび上がった。

 東京とリオがつながる「カウントダウン」のパートでは、競泳男子平泳ぎの五輪金メダリスト、北島康介さんら日本の五輪選手と、「スーパーマリオ」や「ドラえもん」など日本が生んだゲームやアニメの人気キャラクターが共演。渋谷のスクランブル交差点からリオのマラカナン競技場に「マリオ」が瞬間移動する演出の後、安倍晋三首相がマリオに扮して登場した。

 競技場では50人のダンサーたちが躍動した。全国屈指の競技力を誇る青森大学男子新体操部のメンバーらが中心となり、キレのある演舞で盛り上げた。光のフレームを持ったダンサーたちはやがて、巨大な市松模様の2020年五輪エンブレムを完成させた。(宮嶋加菜子、原田亜紀夫)