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 リオ五輪の閉幕日の午前にあった男子マラソン。難民選手団のヨナス・キンデ(36)は土砂降りの雨のなか、最前列からスタートした。「世界にいる6600万人の難民の希望の光になりたい」。水はけの悪い道路を、一歩一歩踏みしめた。

 祖国のエチオピアを「政治的な理由」で追われたのは約5年前。現在は人権団体の支援を受け、ルクセンブルクで暮らす。生活は楽ではない。公用語のフランス語が話せず、いい仕事が見つからない。語学学校に通いながら、トレーニングに励んできた。

 結果は2時間24分08秒で、155人中90位だった。「きょう私が走ったことで、難民の存在を伝えられた」。自己ベストより6分以上遅れたが、笑顔で歓声に応えた。

 日本は難民の受け入れに消極的だとして、国際機関から批判されている。難民とどう向き合うか。東京五輪は考える場にもなるはずだ。(牛尾梓

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