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 慢性栄養不良が子どもの身体や認知能力を低下させる「発育阻害(Stunting(スタンティング))」。将来の健康や収入に影響を与えるとの研究結果も出ている問題で、先進国を含め世界の5歳未満の子どもの4人に1人がその状態にあるといわれる。国連児童基金(ユニセフ)のアグネス・チャン・アジア親善大使の視察に同行し、発育阻害が深刻な中米グアテマラを訪ねた。

世界にひろがる「発育阻害」

 グアテマラ西部にあるトトニカパン県。山の斜面をのぼっていくと、ロセリア・ペレス・カプリエールさん(29)が、次女アリソンちゃん(1歳6カ月)を抱えて出てきた。

 アリソンちゃんの身長は、73・1センチ。標準身長より「著しく低い」とされるのが75センチだが、「それより小さいから、慢性栄養不良の状態ね」。同行したユニセフ・グアテマラ事務所の栄養専門官で、医師のマリア・クラウディア・サンティゾさん(55)はそう指摘する。体重は7・8キロ。まだ歩けない。

 長女ドゥルセ・ファビオラちゃん(4)も身長92・5センチ、体重14キロで、慢性の栄養不良と診断された。

 「このままの状態が続くと、脳の発達や健康に影響が出る可能性がある。極端にやせ細った急性栄養不良とは違ってちょっと見ただけでは深刻さがわからないのが、発育阻害問題の難しいところ」とサンティゾさんはためいきをつく。

 カプリエールさんも135センチと低身長だ。サンティゾさんは「お母さんも発育阻害状態で成長したとみられる。民族的に背が低いのではなく、貧しさのほか、生活習慣なども影響して慢性栄養不良になり、子どももまたその影響を受けている」と話す。

 グアテマラでは、5歳未満の子どもの2人に1人が、こうした発育阻害の状況にあり、特に農村部で深刻だ。妊娠期間中の母親の重労働や妊娠以前の栄養不良などが原因で低体重で生まれ、その後も、育児や衛生についての知識が足りず、子どもたちが慢性栄養不良に陥っているという。

 特に、最貧困層は離乳食を作るために薪から火をたくため、料理する余裕がなく、仕事をしながら背負った赤ちゃんの口にトウモロコシを入れるだけということも多い。

 トトニカパン県にある小学校と首都グアテマラシティにある学校をそれぞれ訪ねると、明らかに子どもたちの体格が違っていた。6~7歳の1年生の身長は、トトニカパンの小学校がほぼ105~110センチで、標準身長と同程度だった首都の小学校の115~120センチより10センチほど低かった。

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