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 ブラジル政府の粉飾会計に関わったとされるルセフ大統領(68)を被告とした弾劾(だんがい)裁判で29日、ルセフ氏本人が上院本会議に出廷し、意見陳述を行った。180日間の職務停止中のルセフ氏は「私は断じて犯罪行為はしていない」と無罪を主張。弾劾手続きは最終局面を迎え、ルセフ氏は30日に予定される採決で罷免(ひめん)される可能性が高いとみられている。

 弾劾裁判が始まったのはリオデジャネイロ五輪閉幕直後の25日。五輪ムードは消し飛び、新聞やテレビの報道は、一転して弾劾裁判の行方に集中している。

 ルセフ氏は「犯罪行為がないのに大統領を罷免するのは憲法違反だ」と批判。「今クーデターが起きつつある。ブラジルの危機はさらに深まる」と訴えた。

 弾劾手続きが始まった昨年12月以降、ルセフ氏本人が議会で登壇して意見を表明するのは初めて。弾劾裁判に姿を見せることで、自身の主張の正当性を強調する狙いがあるとみられる。

 ルセフ氏は現在2期目。財政赤字を実際より少なく見せるために政府会計の粉飾をしたなどとして弾劾手続きの対象とされ、上院が今年5月に弾劾裁判の開始を決定したことで職務停止に追い込まれた。

 弾劾裁判では、これまでに検察側と弁護側双方の証人尋問が行われた。採決で上院の全議員81人のうち3分の2(54人)以上が有罪に賛成すれば、ルセフ氏の罷免が決まる。無罪の結論が出れば、ルセフ氏は大統領の座に復職できるが、地元有力紙が議員に直接尋ねた調査では、すでに50人以上が有罪に賛成の姿勢を示しており、有罪となって罷免される可能性が高いと見られている。(ブラジリア=田村剛)

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