「潜伏キリシタン」に変更 世界遺産目指す長崎教会群
世界文化遺産への登録を目指す「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎、熊本両県)の名称について、長崎県などは「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」と変更する方針を固めた。来月の関係自治体首長らの会議で提案し、了承を得たいという。
「長崎の教会群」は、長崎、熊本両県の8市町にある教会や集落など12の構成資産から成り、16世紀に日本でキリスト教が広まった後、江戸時代に禁教下で迫害された歴史を伝える。
昨年1月にユネスコ(国連教育科学文化機関)への推薦が閣議了解された後、ユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議」(イコモス)から禁教期に焦点を当てるべきだとして推薦書の練り直しを提案され、政府は推薦書を取り下げた。長崎県などはイコモスの助言に従い、禁教期と関係が薄い2資産を除外。今年7月の文化審議会が世界文化遺産への再推薦を決めた。
長崎県などは名称変更で「潜伏キリシタン」を入れることで、さらに禁教期を強調したい考え。イコモス側からもそうした趣旨の提案を受けていた。また、12の構成資産のうち長崎県内の11資産以外では熊本県の「天草の崎津集落」もあり、遺産の名称に「天草」を加えることにした。