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 時計塔ビッグベンで知られる英国会議事堂(ウェストミンスター宮殿)の大規模改修計画案が8日、発表された。2022年ごろから約5~8年間、英議会を一時的に移転し、総工費約39億ポンド(約5290億円)をかけて老朽化した建物を修復、改修する。

 計画案によると、修復の間、庶民院(下院)は保健省が入っている近隣の建物に、貴族院(上院)はエリザベス女王会議場にそれぞれ一時移転する。上下両院で今後、法案として議論され、承認されれば実施される見通し。英議会が一時移転することになれば、1941年の第2次大戦中以来、初めてになる。

 ユネスコの世界遺産にも登録されているウェストミンスターの建物群は、ノルマン朝ウィリアム2世時代の11世紀末にさかのぼる。大半は1834年の火災後に建てられた。現存最古のエレベーターは1893年から使用されている。

 ビッグベン(エリザベス塔、1859年建造)が約50センチ傾いているほか、屋根の雨漏りなども深刻で、計画案を諮問した議会の委員会は、本格的な修復を実施しなければ、火災や崩落など「壊滅的な事態」が起きる危険性があると指摘した。(ロンドン=石合力)