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 東京都港区の畠山清美さん(46)は先月、両親の介護のため、看護師として勤めていた個人病院を退職した。常勤で1年半働いたが、母親(78)が脳出血で倒れた1年半前に週2回の非常勤に変更。さらに父親(75)が認知症の診断を受け、介護の負担が増えた。

 年に5日取れるはずの介護休暇を病院に申し入れたら「人手が足りない」と断られた。年93日使える介護休業ではなく、少し休んだ後に仕事と両立させたかったが、自主的に退職。ハローワークにも通ったが、「小さな職場では、休暇や休業を取ることすら難しいのが現実」と訴える。

 介護の必要性が高くなる75歳以上の高齢者は2025年に現在の1・3倍の2200万人へ急増し、家族の負担も大幅に増える見通しだ。仕事と介護を両立させる仕組み作りが不可欠だが、介護を理由に離職する人はいまでも毎年、10万人ほどにのぼる。

 畠山さんのように小規模な職場では介護との両立に理解が得られないケースがある一方、従業員側が休暇の申し出などを躊躇(ちゅうちょ)する場合も多いという。介護離職の経験者が1月に立ち上げた一般社団法人「介護離職防止対策促進機構」の和氣(わき)美枝代表理事(45)は「介護のことを言わず、自分で抱え込んでしまうケースも多い」と指摘する。

 総務省の12年の調査では、働きながら介護をしている約240万人のうち、8割以上の人は介護休業や介護休暇などの制度を全く使っていなかった。

 和氣さんは「企業は社員に対し、『介護が必要になったら支えるので、安心して報告して欲しい』というメッセージを出すべきだ」という。デイサービスやホームヘルパーなどをうまく利用すれば、離職せずにすむ人も少なくないとみる。

 安倍政権は「介護離職ゼロ」を…

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