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 福島県は8日、全町避難が続く富岡町に24時間365日対応の救急医療を担う「ふたば医療センター(仮称)」を2018年4月に新設すると発表した。原発事故に伴う避難指示で、双葉郡では拠点病院がすべて閉鎖。課題となっていた救急医療体制の整備に着手することで、地域の復興と住民帰還を促したい考えだ。

 同センターは、鉄骨2階建てで延べ床面積は約3600平方メートル。入院ベッドは30人分を想定し、総事業費は約24億円の予定。「二次救急医療」と呼ばれる、手術や入院を含めた救急医療全般を提供する。県立医科大学が全面的な支援をし、医師を派遣する。

 建設予定地は来年3月末に避難指示が解除される居住制限区域で、常磐道の常磐富岡インターチェンジから車で5分。第一原発・第二原発の中間地点にあたり、県病院局は「双葉郡全体の救急医療をカバーし、万が一の緊急被曝(ひばく)医療にも対応できる」と説明する。

 双葉郡では、原発事故後、病院の休止で救急患者の受け入れ態勢が整わず、南相馬市やいわき市などの離れた病院まで患者を搬送せざるを得なかった。

 不十分な医療体制は、住民の帰還をためらわせる主因となっており、佐竹浩局長は「復興加速のために医療提供体制の整備は最優先の課題。企業誘致を進める上でも重要だ」と強調。救急体制の強化に向け、将来的に大熊町でも病院の再開を目指す方針も示した。

 県は来年6月に「ふたば医療センター」の建設に着工する考え。開院するまでの対応として、楢葉町の県立ふたば復興診療所(ふたばリカーレ)で10月から日曜・祝日の救急対応を始めるという。

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/小泉浩樹