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 花粉やハウスダスト、食べ物などを体内に取り入れ、くしゃみや喘息(ぜんそく)、ショック症状など様々な病気を引き起こすアレルギー。その反応の中心的な役割を果たす抗体「IgE」は、今から50年前の1966年に日本人研究者が発見した。

50年前、日本人が抗体発見

 人間の体はウイルスや細菌など異物が入ってくると、体内に「抗体」と呼ばれるたんぱく質ができ、その異物を攻撃して体を守る「免疫」の機能を持つ。それが、本来無害なものに過剰反応し逆に体を傷つけるのがアレルギーだ。

 アレルギーはもともと特異体質によって引き起こされると考えられていた。花粉やハウスダストなどに反応してできる物質は「レアギン」と呼ばれ、60年代に入ると、その正体は抗体の一つ免疫グロブリンA(IgA)だとする報告が相次いでいた。66年2月、米アレルギー学会でこの定説を覆す発表をしたのが、米コロラド州の小児喘息研究所にいた石坂公成(きみしげ)さん(90)だった。

 石坂さんはブタクサ花粉症の患者の血液からIgAを取り除いてもアレルギー反応が起きることを確認し、未知のたんぱく質の存在に気付いていた。しかし、このたんぱく質は血清1cc中に1マイクログラム程度(マイクロは100万分の1)しかなく、当時の技術では直接検出するのが難しかった。

 そこで、免疫反応を利用して、患者の血液成分を注射したウサギの血液成分を、今度は人の背中に注射してアレルギー反応が起きるか調べる実験をすることにした。なかなか結果は出ず、自分自身の背中を使い切ったため、共同研究者の妻、照子さんらに背中を借り、実験を続けた。照子さんは「これを『刺しつ、刺されつ』と言うのね」と笑ったという。

 数カ月の試行錯誤の末に、レアギンの存在を証明した。赤い発疹「紅斑」(Erythema)の頭文字をとり「IgE」と名付けられた。

 抗体はIgG、IgM、IgA、IgD、IgEの大きく五つに分類されることが今では知られている。全体の8割近くを占めるIgGに対し、IgEはわずか10万分の1で、最後の発見だった。

■アレルギーの仕…

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