[PR]

 中南米や東南アジアで流行するジカウイルス感染症(ジカ熱)について、妊婦が感染すると胎児の脳に先天性障害が起きることを、米国の研究チームがサルへの感染実験で確かめた。霊長類では初めての確認だといい、専門家は「治療法の開発につながる可能性がある」と期待する。

 米ワシントン大学などの研究チームが12日付の米医学誌ネイチャーメディシン(電子版)に発表した。

 研究チームは、妊娠後期のブタオザルの腕にジカウイルスを注射して感染させ、胎児の脳の変化をMRIなどで分析した。その結果、母親には熱や発疹などの症状はなかったが、胎児に脳の発育の遅れが出ることが確認された。これまでマウス実験では確かめられていたが、ヒトの妊娠に近い特徴を持つサルでの確認は初めてという。

 ジカウイルス感染症に詳しい元国立感染症研究所室長で、神奈川県衛生研究所の高崎智彦所長は「胎児へのジカウイルス感染による障害は中枢神経系に強く影響し、脳に障害を与えることを明らかにしている。妊婦がジカウイルスに感染した場合の治療法の開発に有用である」と話している。(小川裕介)