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 免疫の働きのブレーキをはずすという新たな方法のがん治療薬・オプジーボ(一般名ニボルマブ)。外科手術、放射線、抗がん剤が中心の治療を大きく変えつつある。京都大の研究者らが24年前、カギとなる分子を見つけ、役割のナゾに迫った基礎研究の成果は、ついに患者の元に届いた。

 京都大医学部の本庶佑(ほんじょたすく)教授(当時、現名誉教授)の研究室。1991年、助手だった石田靖雅さん(現奈良先端科学技術大学院大学准教授)は、細胞が自ら死を選ぶ「アポトーシス」という現象に関わる遺伝子を探していた。免疫細胞が攻撃するべき相手か、そうでない自分かを見分ける仕組みに迫れると考えていた。

 石田さんは当時最先端だった方法を導入。マウスの免疫細胞を自ら死ぬように操作し、死ぬ前後で働いている遺伝子を比べ、後だけで働く遺伝子を捕まえる。それだけでは候補となる遺伝子が多くなり過ぎ、どれが重要かしぼり切れないので、もう1種類の細胞でも同じ実験をし、共通して働く遺伝子を探した。すると、一つの遺伝子が見つかった。予定(プログラム)された細胞死(デス)の頭文字から「PD―1」と名付け、92年に論文発表した。

 当初はこの遺伝子がつくるPD―1分子がアポトーシスを起こすと思われた。だが、何度実験しても起きない。「なぜ起きないんだろう」。石田さんは困惑した。

 本庶さんは考えていた。「(狙った分子と)違うからやめるか、違うけど面白そうだから続けるか。別にアポトーシスでなくてもいいわけや。免疫で面白そうなものが取れてきた。決着するまでやろうやないか」

 石田さんが留学で離れた後も、…

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