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 58人が死亡、5人が行方不明となった御嶽山(長野・岐阜県境)の噴火の現場から辛くも生き延びた人たちが、あの時の体験を伝え始めている。27日で噴火から2年。共通するのは、生死を分けた判断を知ってほしい、命を守る心構えを考えてほしいとの思いだ。

 「ドドーン」

 長野県の登山ガイド小川さゆりさん(45)は噴火の瞬間、山頂近くにいて、低い音に振り返った。見上げるほどに立ちのぼった噴煙と、青空一面に放り出された黒い粒のような噴石。「噴火した。ウソでしょ」。登山道脇の岩に張りついて身をかがめると、強烈な腐卵臭のガスに巻かれた。苦しくて「もうダメだ」と思った瞬間、風向きが変わったのか息ができるようになった。

 噴石が降り出し、「ギャー」というすさまじい叫び声が聞こえた。頭を抱えて「生きて帰れますように」と祈った。噴石がやんだ隙に急斜面を駆け下り、岩の下の穴に頭を突っ込んだ。約1時間後に視界が晴れ、9合目の山小屋に駆け込んで九死に一生を得た。

 あれから2年。体験を全国26カ所で講演してきた。訴えたのは、登山者が危険を即座に判断し、自分の命を自分で守ることの大切さだ。共感した生還者が体験談を送ってくれたのを機に、「教訓をより多くの人に伝えたい」と、生還者への聞き取りを始めた。

 生還者たちはみな、建物のひさしの下に身を寄せる▽岩に頭を張り付ける▽岩陰に飛び込む、といった行動をすぐ始めていた。一方で、噴煙を撮影して逃げようとしない人々もいた。「撮影する時間も惜しんで逃げていれば、結果は違っていたのかもしれない」

 生還者20人の証言と自らの体験を、「御嶽山噴火 生還者の証言」(山と渓谷社)として9月に出版した。小川さんは「亡くなった人も生き残ろうと努力したはず。生き残った人間がどんなふうに努力したかを伝えることで、亡くなった人の努力を想像する手助けになるのではないか」と話す。

 長野県松本市の会社員鈴木康夫…

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