写真・図版

  • 写真・図版
[PR]

 認知症などで判断能力が衰えたときに備え、あらかじめ財産を管理してもらう人を契約で選んでおく「任意後見契約」が増えている。公正証書の作成件数は昨年、初めて1万件を超えた。一人や夫婦で暮らし、近くに頼る人がいない高齢者が増加していることが背景にある。ただ、悪用されて財産が狙われる被害もあり、注意が必要だ。

 判断能力が十分でない人を支援する成年後見制度には、「法定後見」と「任意後見」がある。法定後見は、判断能力が衰えた後に本人に代わって親族などが家庭裁判所に申し立て、後見人らが選ばれる。判断能力の程度に応じて、後見、保佐、補助に分かれる。最高裁によると、昨年1年間に法定後見が開始された件数は3万2183件。現在の統計方法になった2008年以降で最多となった。

 これに対し、任意後見は判断能力が十分にあるうちに、本人が信頼できる人を後見人として選んでおく制度。法律に詳しい元裁判官や元検察官が務める公証人が公正証書を作って契約を結ぶ。親族や友人のほか、社会福祉法人などの団体も可能だ。本人の判断能力が低下し、後見人の候補者らが医師の診断書などをもとに家裁に申し立てて認められると、本人に代わって財産管理できるようになる。家裁が選んだ「任意後見監督人」が後見人をチェックし、著しい問題があれば解任する。

 日本公証人連合会(日公連)によると、昨年の任意後見契約の公正証書の作成件数は約1万700件で、10年間で2倍以上に。初めて1万件を超え、過去最多となった。一方、最高裁の統計では、昨年の任意後見監督人の選任件数は716件。10年間で3倍超に増えている。

 背景には、世帯当たりの家族数が減り、高齢者の世話をする親族が近くにいないケースの増加があるという。厚生労働省の15年の国民生活基礎調査では、65歳以上の人がいる世帯は全世帯の47・1%。このうち一人暮らしが26・3%、夫婦2人の世帯が31・5%でともに増え続けている。

 一方、東京都福祉保健局では、制度が悪用され、悪質な業者らが任意後見契約を結んで自ら後見人となり、高齢者に不必要なリフォームを契約させて利益を上げるなどの被害も出ているとして、制度を正確に理解するよう注意を呼びかけている。東京公証人会の井内顕策会長は「任意後見は自分の信頼できる人を選ぶことができるが、誰に頼んだらいいのか悩んでいる人もいる。周囲に面倒を見てくれる人がいなかったり、財産を誰に相続させるか迷ったりしている人は専門家に相談してほしい」と話す。

 日公連は10月1~7日の「公…

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら