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 観測史上最大級の地震をきっかけに「原発は大丈夫か」と、その安全性が急きょ問われる事態になっている。日本の話ではない。海を挟んだ隣国、韓国での出来事だ。

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 韓国南東部の慶州(キョンジュ)市。日本海沿いの集落に暮らす黄粉熙(ファン・ブンヒ)さん(68)は、記者の電話取材に対し、地震発生時の様子をこう語った。「1回目は体が揺れる程度でしたが、2回目は揺れがひどくて棚から物が落ちたりして、思わず屋外に出ました。『原発は大丈夫だろうか』と、思わず原発のある方向も見ましたよ。福島の(原発)事故も地震の後に起きたんですよね」。黄さんの自宅から直線距離で約900メートルの海沿いには、6基の原子炉が並ぶ月城(ウォルソン)原発がある。

 韓国気象庁の発表によると、9月12日夜、韓国南東部の慶州の南南西約8~9キロの地点付近を震源とするマグニチュード5・1と5・8の地震が相次いで発生。慶州をはじめ、釜山、蔚山、大邱など韓国の南東部を中心に広範囲で揺れを観測した。建物の壁や水道管に亀裂が入ったり、家屋の屋根瓦やガラス窓が割れたりし、けが人も出た。M5・8は、韓国気象庁が1978年に観測機器で地震観測を始めて以来、最大級の揺れという。慶州を中心に周辺では余震も頻繁に続き、9月19日にはM4・5の揺れを観測した。

 古代日本とも交流の深い新羅の都だった慶州は古都として知られ、世界遺産に登録されている仏教遺産も少なくない。韓国文化財庁の発表によると、今回の地震で、韓国の国宝でもある仏国寺の多宝塔の一部が破損するなど約60件の文化財被害が確認されている。

 韓国ではこれまで例のない揺れの地震をきっかけに、議論を呼んでいるのが「核発電所」とも呼ばれる原子力発電所の安全性だ。揺れが最も大きかった慶州市の日本海沿いには、6基の原子炉が並ぶ月城原発に加え、隣接地に「原発のごみ」を地下で保管する「中・低レベル放射性廃棄物処分施設」もある。さらに月城原発から約50キロ余り南方の釜山市の日本海沿いには、8基の原子炉(商業運転6基、試運転中2基)が並ぶ古里(コリ)原発がある。そんな韓国で最も原発や関連施設が密集する地域で、これまでに経験のないレベルの地震が相次いで起きた。

 今回の地震で、韓国の全原発を管理運営する公営企業「韓国水力原子力」は、月城原発6基のうち運転歴が長い1~4号機(いずれも重水炉)を手動で停止させた。同社は「地震の影響はないし、安全性に問題はない」としているが、韓国の原発が地震の発生で稼働を停止したのは今回が初めてという。

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