[PR]

 横浜市神奈川区の大口病院で起きた今回の事件だけでなく、過去にも医療機関で点滴や注射に異物が混入され、患者が被害に遭う事件が起きている。

 仙台市のクリニックで准看護師の男が計5人の患者の点滴に筋弛緩(しかん)剤を混入したとして、2001年に逮捕された事件では、1人が亡くなった。男は逮捕直後、「日ごろから不満を抱いていたクリニックの副院長を困らせようとした」と犯行を認める供述をしたとされるが、その後は否認。14年に東京都世田谷区の病院でインスリン製剤が投与された事件では、逮捕された看護師の女が一貫して否認し、動機はよくわかっていない。

 京都市で08年に発覚した事件では、母親が娘3人の点滴にスポーツドリンクなどを混入。病気にして献身的に看護し、周囲の注目を集めようとしたとされる。

 98年に川崎市で起きた事件では、医師が家族の同意を得たとして患者を死亡させた。「安楽死」をめぐって議論になったが、執行猶予つきの有罪判決を受けている。(永田大)

医療機関内で発生した異物混入などによる事件

▼〈1991年〉神奈川県伊勢原市の東海大医学部付属病院で、主治医だった男性助手が、末期がんだった患者に塩化カリウムを注射して死亡させたとして殺人罪で在宅起訴。裁判で「安楽死」が争点となったが認められず、元助手は執行猶予つきの有罪判決

▼〈1998年〉川崎市の川崎協同病院で、ぜんそく発作を起こして心肺停止した男性に対し、女性医師が准看護師に筋弛緩(しかん)剤の投与を指示して殺害したとして、殺人容疑で逮捕。延命治療をめぐる刑事責任が問われ、懲役1年6カ月執行猶予3年の有罪判決

▼〈2001年〉仙台市の北陵クリニックで、准看護師の男が入院していた小学6年生の少女の点滴に筋弛緩剤を混入して殺害しようとした殺人未遂の疑いで逮捕。ほかにも患者1人を殺害、3人を殺害しようとしたとして、無期懲役の有罪判決

▼〈2008年〉京都市の病院に入院していた五女(当時1)の点滴に、古くなったスポーツドリンクを注入したとして、母親が殺人未遂の疑いで逮捕。入院中の四女(当時8カ月)の点滴にも水道水を注入して殺害していたとして殺人容疑で再逮捕。傷害致死罪などで懲役10年の判決

▼〈2014年〉東京都世田谷区の日産厚生会玉川病院で、入院患者に必要のない糖尿病治療薬のインスリン製剤を投与し、低血糖発作を起こさせたとして、看護師の女が傷害容疑で逮捕。一審で懲役2年6カ月の判決

<アピタル:ニュース・フォーカス・特集>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/