中世の都市や女性史、芸能史の研究で文化勲章を受章した歴史学者で、滋賀県立大学名誉教授の脇田晴子(わきた・はるこ)さんが27日、死去した。82歳だった。

 1934年、兵庫県西宮市生まれ。京都大大学院博士課程を経て京都橘女子大(現・京都橘大)、鳴門教育大、大阪外国語大(現・大阪大外国語学部)、滋賀県立大などで教鞭(きょうべん)をとり、石川県立歴史博物館長も務めた。夫は歴史学者で、大阪大名誉教授の修(おさむ)さん。

 商業史研究を通し、それまで暗く停滞した時代と考えられていた中世が、実は経済活動の活発な時代だったことを論証。その中で大きな役割を果たしたのが、夫とともに家業を切り盛りしていた女性たちであったことも、多様な資料から明らかにしていった。同時に芸能者や遊女ら、差別を受けた人々にも光を当てた。

 女性歴史研究の先駆者として多くの後進を育て、「女性史学賞」の創設に尽力。幼いころから能楽に親しみ、芸能史の研究でも多くの実績を残した。石見銀山(島根県)の歴史文献調査団長も務め、世界遺産入りに大きな役割を果たした。

 05年に文化功労者、10年に文化勲章受章。主な著書に「能楽からみた中世」「日本中世都市論」「中世に生きる女たち」など。