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 小池百合子・東京都知事が28日、テレビカメラや多くの傍聴者に見つめられながら都議会に初登場した。高い注目度を背景に、都知事選で対立した各党との論戦を主導し、大胆な都政改革を進めたい考えだ。しかし、着手した課題解決への道のりは険しそうだ。

 「都議会の議論に向けられる都民の視線はこれまでのものとは大きく異なります。なれ合いや根回しで事を丸く収めるのではなく、その決定過程をつまびらかにご覧いただく」

 都知事就任から約2カ月。小池氏は初めて臨んだ都議会定例会で、改革の決意を明らかにした。

 在京民放各局は情報番組で約40分間の演説を異例の生中継。都議会では186枚の傍聴券を求め、都民らが開会前に並んだ。

 演説冒頭では、今月10日に公表した豊洲市場(江東区)の主な施設下に土壌汚染対策の盛り土がなかった問題にふれ、「都政は都民の信頼を失った」と指摘。信頼回復のために、「責任の所在を明らかにする。原因を探求する義務が、私たちにはある」と強調した。

 都政の目的を「『都民ファースト』の構築」と選挙戦で繰り返したフレーズで表現。自ら選んだ外部有識者らが加わり、自身が本部長を務める「都政改革本部」について、「都庁の自己改革精神を呼び覚ます装置として設置した」と説明した。保育士確保などに力を入れる待機児童対策、「残業ゼロ」を呼びかけた都庁の働き方改革、ペットの殺処分ゼロや海外金融系企業の誘致などの施策を次々と繰り出した。

薄れる対立色

 小池氏は7月の都知事選で、「冒頭解散」を掲げ、都議会への対立姿勢を鮮明にした。自民党をはじめ、主要会派の擁立候補と争ったため、「与党」と呼べる存在は所属議員3人の「かがやけ Tokyo」のみ。このため、議会対策は難航が予想されたが、対立的な雰囲気は急速に変わりつつある。

 きっかけは、豊洲市場の盛り土問題の発覚だ。

 先月末、小池氏が築地市場からの移転延期を決めた際は、都議の間でも「業者への影響も大きい。判断理由を厳しく追及する」との声が上がっていた。しかし、盛り土問題が連日報道されるようになると、行政のチェック機能を果たせなかった議員の後ろめたさもあり、移転延期を疑問視する空気はしぼんでいる。

政治塾に警戒

 小池人気にあやかろうと、接近をはかる動きもある。民進党の蓮舫代表は23日、都庁で小池知事に面会し、「様々なことに向き合っている姿を見ると力が出ます」と持ち上げた。都議会民進党(旧民主)の尾崎大介幹事長は28日、「初の女性知事で非常に新鮮。率直で良かった」と所信表明を評価。共産党都議団の大山とも子幹事長も、提案された知事給与半減や待機児童対策に賛成を明言し、「都民本位の都政は重要。実現してほしい」とエールを送った。

 都議らが警戒しているのが、小池氏が21日に設立を表明し、来月にも開講される政治塾だ。「政治を学びたいという方々の声を受けて」と小池知事は説明するが、都議会では「来夏の都議選に立てる候補者選びの場ではないか」との見方が広がる。「現職が弱い選挙区に『刺客』を立てるのでは」(自民都議)、「支持率10%いかない政党の僕らは吹き飛ぶ」(民進都議)……。将来の「小池新党」を意識する都議は少なくない。

 一方、知事選で小池氏に「ブラックボックス」と批判され、激しく対立した最大会派・都議会自民党からは目立った発言がない。28日の議事終了後、高木啓幹事長は報道陣に「知事が目標にされている『都民ファースト』と、私たちが申し上げている考え方は、思いとしては一緒です」と話した。(岡雄一郎、伊藤あずさ)

■豊洲・五輪…長期化なら批判の…

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