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 学習する時間帯によって記憶のしやすさは異なり、活動期の前半にピークがあることが東京大グループによるマウス実験でわかった。マウスは夜行性なので、ヒトなら午前に相当するという。英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ電子版で30日、発表した。

 動物には、昼活動し、夜眠るなど約24時間のリズム現象があり、ホルモンの分泌量なども周期的に変動する。このリズムを制御しているのが体内時計だ。

 グループは、記憶にかかわる脳の海馬で、体内時計にあわせて働く量が変化するたんぱく質を見つけた。このたんぱく質は、24時間以上たっても覚えている「長期記憶」に重要な働きを示し、ヒトの午前にあたるマウスの活動期の前半で増えることがわかった。

 次に、記憶にある積み木より、初めて見る形の積み木に興味を示すマウスの性質を利用して、学習する時間帯と記憶の効率の関係を調べる実験をした。すると、実際に活動期の前半に長期記憶の効率が上がることが確認できた。

 グループの深田吉孝教授(生物科学)は「ヒトは気分などが複雑にかかわるため、結果がそのまま当てはまるかはわからないが、生物が基本的にもつ仕組みとして、脳の高次機能にも体内時計の支配があることを示した」と話している。(瀬川茂子