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 新潟県知事選は29日告示され、無所属の新顔4人が立候補した。東京電力柏崎刈羽原発が立地する同県で、再稼働に慎重な姿勢をとり続けてきた泉田裕彦知事が立候補を取りやめた。候補者は国や東電にどう向き合おうとしているのか、有権者はそれぞれの立場で論戦を注視する。10月16日、投開票される。

 立候補したのは、元団体職員の三村誉一(70)、同県の前長岡市長の森民夫(67)、医師の米山隆一(49)、行政書士の後藤浩昌(55)の4氏。

 原発再稼働を進める与党の自民、公明の推薦を受ける森氏と、共産、社民、生活が推薦し、福島第一原発事故の避難者らが加わる市民団体が支援する米山氏は、新潟市内で第一声を上げた。

 森氏は「安全確保最優先。国の結果が出ても、県の技術委員会や市町村と協議し、検証する。国や東電に私は意見が言える」とアピール。応援に駆けつけた自民の古屋圭司選挙対策委員長は、「エネルギー政策も原子力政策もただ反対、批判するだけでは何も生まれない」と主張した。

 米山氏は、福島第一原発事故の原因、健康や暮らしへの影響、重大事故時の避難方法の「三つの徹底的な検証がない限り、再稼働の議論は始められない。泉田知事の路線の継承を約束する」と訴えた。

 柏崎刈羽原発は、原子炉7基の出力が合計820万キロワットで世界最大。福島第一原発と同様、電気の送り先は県内ではなく、東京などの首都圏だ。2007年の中越沖地震で火災や放射能漏れが起きて以来、12年3月までに全7基が止まった。東電はまず2基の再稼働を目指し、原子力規制委員会の適合性審査は終盤を迎えている。

 地元には、原発の安全性を議論する住民組織「地域の会」があるが、再稼働に対する考え方は分かれる。

 柏崎商工会議所常議員で、産業資機材会社経営の石坂泰男さん(52)は森氏を推す。「県民の安全を最優先する点で候補者間で大きな差はない」と指摘。「泉田知事はいつも強い対決姿勢をとるのが問題。避難計画や原発の安全対策を充実させ、地域経済の停滞を少しでも解決するなら、国や東電との議論を前に進めなければ。森氏がいちばん交渉力にたけている」と話す。

 刈羽村の脱原発団体のメンバー高桑千恵さん(70)は、泉田路線を継ぐ米山氏を応援する。ひとたび大事故が起きると全村避難となるため、「原発のひざ元の住人は不安から一時も逃れられない。再稼働に厳しい姿勢で臨む人に知事になってほしい」と話した。米山氏が「事故が人々の人生に与える影響」の調査も公約しており、「原発以外の社会問題にも広い視野で取り組んでくれそう」と期待する。(届け出順、四角囲み政党は推薦)(松浦祐子、田中恭太、渥美好司)

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