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 中東和平に尽力し、ノーベル平和賞を受賞したシモン・ペレス前イスラエル大統領の国葬が30日、エルサレムであり、約70カ国の首脳・要人が参列した。中東和平交渉が頓挫する中で、パレスチナ自治政府のアッバス議長が出席。ネタニヤフ首相と握手して言葉を交わす異例の一幕もあった。

 アッバス氏のエルサレム訪問は、2010年9月にヒラリー・クリントン米国務長官(当時)が同席し、ネタニヤフ氏と直接和平交渉をして以来、6年ぶり。

 米国主導の和平交渉は14年4月に頓挫して以降、再開の見通しは立っていない。パレスチナ国家の樹立に反対する極右政党を含む現在のネタニヤフ政権は、国際法違反とされる占領地のヨルダン川西岸でのユダヤ人入植地建設を続ける。

 アッバス氏としては、和平推進の旗振り役だったペレス氏の葬儀に参列することで、イスラエル側が強硬な姿勢を改めるよう、国際社会に訴える狙いがあったとみられる。

 イスラエル史上最大級となった国葬にはオバマ米大統領やオランド仏大統領、チャールズ英皇太子、ビル・クリントン元米大統領、ケリー米国務長官ら各国の首脳・要人が参加。日本からは中谷元・前防衛相が首相特使として出席した。

 オバマ氏は「和平交渉で失望が繰り返された後も、パレスチナ人はユダヤ人と同じ尊厳を持つとみられるべきだと主張した」とその死を悼んだ。またアッバス氏の参列を「和平が未完であることを思い起こさせる」とし、「和平はイスラエルの次世代と友人の手に委ねられている」と述べた。熱弁は20分を超えた。

 パレスチナ暫定自治を決めた1993年の「オスロ合意」でパレスチナ側との仲介役を務めたクリントン元米大統領は「イスラエルで最優秀な学生から最良の教師となり、最期には最大の『夢見る人』になった」と語った。ペレス氏は外相として秘密交渉を率い、オスロ合意を結実させた。その功績から、翌年にノーベル平和賞を受賞した。(エルサレム=渡辺丘)

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