[PR]

 中高校生は8・5時間以上の睡眠をとると、うつや不安のリスクが低くなる――。東京大学大学院教育学研究科の佐々木司教授ら共同研究グループの調査で、こんな傾向が明らかになった。思春期の生活習慣の目安になりそうだ。

 調査は2006年に三重県と高知県の公立中高の生徒約1万8千人を対象に、集中力や生きがい、ストレスなどを尋ね、うつの症状を感じている割合と平日の睡眠時間を比べた。その結果、男子では睡眠時間8・5~9・5時間の生徒のリスクが最も低かった。

 女子は、リスクが低くなる睡眠時間が男子より約1時間短かった。だが、平均の睡眠時間が男子より短く、「うつ・不安」の傾向も強かった。データのばらつきも大きく、佐々木教授は「女子のほうが必要な睡眠時間が短いとはいえず、さらに研究が必要だ。男子と同じ程度の睡眠時間が必要と考えておいたほうがいい」と説明する。

 佐々木教授によると、人間には深い睡眠と浅い睡眠の両方が必要で、「短くても深く眠ればいい」という根拠はない。「早寝早起きだけでなく、個人差はあるが、平均的には8・5時間ぐらい寝たほうがよいことが分かった。親や周囲の大人が保健指導に生かしてほしい」と話している。(杉原里美)