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 蒸し暑さが残る今年の秋分の日。大阪の御堂筋を、そろいの空色のTシャツなどを身にまとった数百人が行進した。薬物やアルコールなど様々な依存症に苦しんだ人々と、家族、友人、支援者らが回復を祝おうと関西で初めて開いた「リカバリー・パレード」。道行く人々に「回復を信じ、応援する社会を」と訴えた。

 副実行委員長として準備に奔走した加藤武士さん(50)は「依存症は誰もがなり得る心の病です。『中毒者』として排除するのではなく、回復のため包み込む社会にと訴えたかった」と振り返る。

 加藤さん自身、かつて薬物依存に苦しみ、自殺を試み、精神科病院への入退院を繰り返した。依存症者が入・通所する施設「DARC(ダルク)」で回復者と出会い、「きょう一日を精いっぱい生きてみようと考えるようになった」。スタッフになり、今は京都の「木津川DARC」代表として約10人の回復を見守る。

 「社会とつながり、夢や希望が持てれば落ち着いた生活ができる」。苦しんで自ら命を絶った仲間のためにも来年のパレードに向けた準備を間もなく始める。「依存症から回復しやすい社会」へ。

(編集委員)

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