映画「ツィゴイネルワイゼン」「どついたるねん」などを製作し、自ら建てた移動式映画館で公開したプロデューサーで監督の荒戸源次郎(あらと・げんじろう、本名吉村敏夫〈よしむら・としお〉)さんが7日午後1時、虚血性心疾患のため東京都内の病院で死去した。70歳だった。葬儀は未定。

 唐十郎主宰の劇団「状況劇場」など演劇界を経て、80年、鈴木清順監督の映画「ツィゴイネルワイゼン」をプロデュース。東京タワーの下などにエアドーム型のミニ映画館「シネマ・プラセット」を建てて公開した。既存の配給・興行会社に頼らない方式が「産直映画」と話題になって観客を集め、キネマ旬報ベスト・ワンなど、この年の映画賞を総なめにした。

 89年には阪本順治監督の「どついたるねん」を産直方式で公開。こちらも阪本監督の新人賞など数多くの賞を受けた。95年、「ファザーファッカー」で自ら監督デビュー。2003年には、寺島しのぶ主演の監督第2作「赤目四十八瀧心中未遂」が高い評価を得た。

 05年、東京国立博物館内に「一角座」を建て、大森立嗣監督の「ゲルマニウムの夜」をロングラン公開した。製作映画はほかに「陽炎座」「夢二」「王手」など。