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 タイのプミポン国王の死去で王位を継承するワチラロンコン皇太子(64)が、当面即位しない意向を示したことを受け、国王の諮問機関である枢密院の議長だったプレム氏(96)が暫定摂政についた。王位に一時的な空白ができたことで、国民の間には継承について不安や臆測が残っており、プラユット暫定政権は対応に追われている。

 ウィサヌ副首相(法務担当)が14日夜、「王位継承のプロセス」と題する全局共通のテレビ番組に出演。皇太子が王位を継承し、即位までプレム氏が摂政を務め、民政復帰のロードマップは影響を受けない――などと説明した。

 政権は国王死去の直後から、社会不安を防ぐとしてメディア統制を強化。その一方で、王位継承の進め方やプミポン国王の葬儀の日程などについて断片的にしか明らかにせず、逆に臆測やうわさを生む結果になっている。

 皇太子は1972年にプミポン国王から王位継承者任命を受けたが、次女のシリントン王女(61)もその後、類似の称号を授かったことから、2人に継承権があると認識している国民は少なくない。本人たちとは無関係に皇太子、王女をそれぞれ支持する取り巻きが生まれて対立している、と指摘する関係者もいる。

 政府は臆測の打ち消しに努めている。ウィサヌ氏は番組で「政府が手いっぱいで対応できず、うわさや誤った情報の流布を呼んだことを謝る。だが、政府からの信頼できるニュースだけを聴いてほしい」と語った。だが、タイの法学者は「国王がいないことへの不安は、長引けば増幅する恐れがある」と案じた。

 プミポン国王の遺体が安置されているバンコクの王宮では15日も、断続的に読経などの儀式が続いている。(バンコク=大野良祐)