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 「おじさんが弟を殴ったり蹴ったりした」。三重県の中学生の姉が学校で担任に告げた。

 小学1年の弟への虐待の疑いがあるとみて、その夜、学校から連絡を受けた児童相談所(児相)の職員と警察官3人が家に向かった。布団で寝ている弟の姿を玄関から見て、その場を離れた。翌朝、弟が意識不明になっていると姉が110番通報した。

 弟は児相職員が訪れた日の午前、姉が「おじさん」と呼ぶ母親の交際相手の男から激しい暴行を受けていた。男は逮捕され、弟には重い障害が残った。

 事件から半年後の2010年秋、三重県はその経緯を分析した「検証報告書」をまとめた。事件の数カ月前から弟の腕の傷痕や、姉が顔面を腫らして登校するなどのサインがありながら、一時保護などの対応が取られず、虐待を止められなかった経緯が書かれている。

 報告書では「結果論だが、訪問から救出までの約12時間が持つ医学的意味は小さくない」と、児相職員らが訪問時に異変に気づけなかったことで、弟の症状が悪化した可能性を示唆している。ただ、なぜ弟の安全を直接確認せずにその場を離れたのか、などの詳しい分析までは書かれていない。

 弟は今、12歳になった。障害児施設で寝たきりの生活を送っている。

検証報告書 187件分析

 死亡や重体など重大な児童虐待187事例について、全国の自治体が09年4月~16年9月に作成した検証報告書を朝日新聞が集め、専門家の助言を受けながら分析した。報告書の多くは公表されているが、非公表のものは情報公開請求などで取り寄せた。

 その結果、自治体や児相などが事前に虐待の兆候をつかんでいたケースが144件あり、その4割超の64件で「家庭訪問したのに子どもに会っていない」「電話だけで訪問せず」など、虐待を受けていないかどうかの確認の不十分さが指摘されていた。

 連携不足も指摘されている。自…

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