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 広告大手、電通が2014~15年に、社員に違法な長時間労働をさせたとして東京と大阪の労働基準監督署から労働基準法違反による是正勧告を相次いで受けていたことが分かった。2度の勧告を受けた後の昨年末に、過重労働が原因で女性新入社員が自殺しており、勧告後も違法な長時間労働が改善されず、常態化していた可能性がある。

 電通によると、14年6月、関西支社(大阪市)が天満労働基準監督署(同)から是正勧告を受けた。女性社員が自殺する約4カ月前の昨年8月14日にも、東京都港区の本社が三田労働基準監督署(東京)から是正勧告を受けていた。

 いずれも、労働時間の上限について定める労基法32条違反による是正勧告だった。労基署に届け出た時間外労働の上限を超えて、社員を働かせていたとみられる。電通広報部は取材に対し、「詳細についてはお答えしかねます」と回答し、違反の内容は明らかにしていない。

 亡くなった新入社員は、本社勤務だった高橋まつりさん(当時24)。昨年12月25日に過労自殺し、先月末に労災認定された。三田労基署は、高橋さんの1カ月(昨年10月9日~11月7日)の時間外労働が105時間だったと認定した。電通が労基署に届け出た上限の時間を大幅に超えており、勧告後も違法な長時間労働がなくなっていなかったことになる。

 東京労働局などが電通の本支社や主要子会社に立ち入り調査を実施し、刑事事件としての立件を視野に、全社的な労務管理の実態を調べている。(千葉卓朗)