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 ベトナム戦争で米軍が使用した枯れ葉剤の影響で、結合双生児として生まれたベトナムのグエン・ドクさん(35)が20日、広島市の平和記念公園を初めて訪れた。原爆死没者慰霊碑に献花し、戦争の被害に苦しむ人が二度と出ないよう祈りを捧げた。

 ドクさんは1981年、兄ベトさんと下半身がつながった状態で生まれた。親がダイオキシンを含む枯れ葉剤を浴びた影響とみられる。88年に分離手術を受けた。その後結婚して父親となったが、兄は2007年に亡くなった。

 初の広島訪問は、市民団体「広島ベトナム平和友好協会」の招きで実現。この日は広島平和記念資料館も訪ね、原爆の犠牲者の遺品や当時の写真などを見た。

 ドクさんは記者会見で「原爆と枯れ葉剤の被害はどちらも戦争によるもので同じ痛みを共有している。世界では今も戦争が繰り広げられている。争いをやめ、化学兵器や核兵器は廃絶しなければならない」と話した。(池上碧)