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 縁結びの「御利益」で知られる島根県の出雲地方。その山間部に位置する雲南市の高齢化率は36%を超え、全国平均の20年先を走っている。この地域から「縁結びパンツ」と名付けた商品が売り出されようとしている。

 中心になっている福山順子さん(31)は市出身。東京で看護師をしていることもあり、健康に良いとされる締め付けがゆるい「ふんどしパンツ」に関心があった。デザインがかわいいと思えるものが市販されておらず、自分で作ってみてもうまく裁縫できなかった。思い浮かんだのが裁縫が上手な田舎の「ばあちゃん」たちだった。

 昨年夏、故郷の市職員に「高齢女性に縫ってもらいたい。欲しい人はいるはずなので私が全国で売りたい」とアイデアを伝えた。若手起業家らを支援している市のNPO・おっちラボを紹介され、資金確保や売り出し方のアドバイスを受けることができた。

 生地を福山さんが仕入れ、縫製業をしている市内の女性2人に1枚千円で裁縫を発注。60代後半の2人は「若い人のチャレンジを応援したい」と賛同した。つるつる滑るシルクは縫製が難しいことなどの助言をしながら仕上げてくれた。

 今年9月からネット上で試験販売。シルクとコットンの2枚セットで1万円もする商品88枚が2週間で完売した。消費者の健康志向に加え、「縁結び」「おばあちゃんが縫う」というキャッチフレーズも受けた。11月からは縫い手を増やし、本格的にネットで売り出す予定だ。

 おっちラボの事務局長で弁護士の小俣健三郎さん(35)も東京からのIターン者。雲南市では最近、住民が交流するカフェや訪問看護ステーションなど地域の課題解決につながる起業の動きが出てきたという。「下着も高齢者の生きがいにつながる事業。ビジネスとして成り立つよう支援していきたい」と話す。