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 衆院補選が23日投開票され、東京10区は自民公認の前職、若狭勝氏(59)=公明推薦=、福岡6区は無所属新顔の鳩山二郎氏(37)がそれぞれ当選した。自民は鳩山氏を追加公認し、事実上2勝となった。野党は一本化したものの民進公認候補がともに敗れ、蓮舫代表の求心力低下は必至だ。

 蓮舫氏にとって補選は初陣。23日昼すぎ、長崎市内で記者団に「野党の行政監視能力を高める意味合いがあり、全力で臨んできた」と述べたが、アベノミクス批判などを展開したいずれの新顔も及ばなかった。

 告示直前に共産や社民、自由と共闘で合意し、共産が候補を取り下げる形で野党の一本化は果たした。ところが民進は社民などの推薦の申し出を断り、東京10区では野党4党の党首級がそろう合同演説会に候補者が来ないなど、終始、ちぐはぐな対応が目立った。

 野党3党推薦候補が勝利した16日の新潟県知事選の勢いを生かすこともできず、むしろ知事選で表面化した連合との亀裂が選挙戦に影を落とした。とくに参院東京選挙区選出の蓮舫氏のおひざ元・東京での敗北で「選挙の顔」が通用しなかったことを意味し、党内から責任を問う声が出そうだ。

 自民は推薦候補を立てた16日の新潟県知事選は敗れたが、両補選の勝利で、国会運営で主導権を確保。最重要議案と位置づける環太平洋経済連携協定(TPP)承認案の衆院通過時期を判断する。政界に「年明け解散」の臆測が流れるが、安倍晋三首相は衆院解散の時期について選択肢を広げたまま政権運営を続ける構えだ。

 自民は東京10区で都知事に転出した小池百合子氏の「後継」として、都知事選で党方針に反し小池氏を支援した若狭氏を公認。陣営は「都政と日本の橋渡しを担う」と訴えた。豊洲市場移転や東京五輪会場見直しで世論の支持を集める小池氏との和解を演出し、その勢いに乗る形で選挙戦を優位に進め、無党派層を取り込んだ。

 福岡6区は鳩山邦夫元総務相の死去に伴うもので、次男の鳩山二郎氏が「弔い選挙」を前面に掲げて制した。菅義偉官房長官が顧問を務める自民の派閥横断の議員グループ「きさらぎ会」メンバーも鳩山氏を支援した。自民福岡県連や麻生太郎財務相が推す新顔蔵内謙氏(35)との公認争いは決着が付かず、鳩山、蔵内両氏が無所属で立候補。自民は当選した鳩山氏を公認することで決着させた。

 東京10区の投票率は34・85%、福岡6区は45・46%。いずれも過去最低だった。