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神戸金史さんのフェイスブックへの投稿

私は、思うのです。

長男が、もし障害をもっていなければ。

あなたはもっと、普通の生活を送れていたかもしれないと。

私は、考えてしまうのです。

長男が、もし障害をもっていなければ。

私たちはもっと楽に暮らしていけたかもしれないと。

何度も夢を見ました。

「お父さん、朝だよ、起きてよ」

長男が私を揺り起こしに来るのです。

「ほら、障害なんてなかったろ。心配しすぎなんだよ」

夢の中で、私は妻に話しかけます。

そして目が覚めると、いつもの通りの朝なのです。言葉のしゃべれない長男が、騒いでいます。何と言っているのか、私には分かりません。

ああ。またこんな夢を見てしまった。ああ。ごめんね。

幼い次男は、「お兄ちゃんはしゃべれないんだよ」と言います。いずれ「お前の兄ちゃんは馬鹿だ」と言われ、泣くんだろう。想像すると、私は朝食が喉(のど)を通らなくなります。

そんな朝を何度も過ごして、突然気が付いたのです。弟よ、お前は人にいじめられるかもしれないが、人をいじめる人にはならないだろう。

生まれた時から、障害のある兄ちゃんがいた。お前の人格は、この兄ちゃんがいた環境で形作られたのだ。お前は優しい、いい男に育つだろう。

それから、私ははたと気付いたのです。あなたが生まれたことで、私たち夫婦は悩み考え、それまでとは違う人生を生きてきた。

親である私たちでさえ、あなたが生まれなかったら、今の私たちではないのだね。

ああ、息子よ。

誰もが、健常で生きることはできない。

誰かが、障害を持って生きていかなければならない。

なぜ、今まで気づかなかったのだろう。

私の周りにだって、生まれる前に息絶えた子が、いたはずだ。生まれた時から重い障害のある子が、いたはずだ。

交通事故に遭って、車いすで暮らす小学生が、雷に遭って、寝たきりになった中学生が、おかしなワクチン注射を受け、普通に暮らせなくなった高校生が、嘱望されていたのに突然の病に倒れた大人が、実は私の周りには、いたはずだ。

私は、運よく生きてきただけだった。それは、誰かが背負ってくれたからだったのだ。

息子よ。君は、弟の代わりに、同級生の代わりに、私の代わりに、障害を持って生まれてきた。

老いて寝たきりになる人は、たくさんいる。事故で、唐突に人生を終わる人もいる。人生の最後は誰も動けなくなる。

誰もが、次第に障害を負いながら生きていくのだね。

息子よ。

あなたが指し示していたのは、私自身のことだった。

息子よ。

そのままで、いい。

それで、うちの子。

それが、うちの子。

あなたが生まれてきてくれてよかった。

私はそう思っている。父より