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「どろぼうさんへ。お金が欲しかったらあげます」

(亡くなった母が、襖〈ふすま〉に貼った紙に書いていた言葉)

 母は2010年に104歳で亡くなりました。認知症で少しずつぼけてゆきましたが、「かわいい」ぼけで、いつも笑いをもらっていました。介護していて心に刻まれた母の症状として、三つほど記憶にあります。

 ①大きな懐中電灯を電話機にして「もしもし?」と言っていた。

 ②部屋の襖に貼り紙。「どろぼうさんへ。お金が欲しかったらあげますので盗まないでください」

 ③70歳代の私の兄(母の長男)が訪ねてきたとき。「あのおじいさんにイスを出して腰かけさせてあげて」

 亡くなる前日は、ふぐ雑炊を食べました。何度も私に「おいしいものをいっぱいありがとう」と言って、母は亡くなりました。

◆三重県 ケアマネジャー 猪熊節子さん(72)

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 朝日新聞文化くらし報道部「介護 あのとき、あの言葉」係

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