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 【松尾慈子】ちょっとアニメ絵の、一見して少女か少年か分からないような子が正面からこちらを見ている。この表紙を見て、私はなかなか手を出せなかった。アニメ絵が苦手だからだ。でも、裏表紙を見ればよかったのだ。ちゃんとあらすじが書いてある。これを見れば、私は即買ったのに。1巻は昨年末発売だというのに買わずに過ごし、この10月に2巻が書店に並んでようやく本作の概要を知って、あわてて1、2巻を同時に買うというていたらくである。オタクの名折れだわ。

 クラスメートに「ホモ動画」を見ていることを知られた主人公の男子高校生・たすくは、自分の性指向が知られたかとおびえ、アイデンティティーのゆらぎに対面する。広島の坂の町・尾道を舞台に描く、ゲイの少年の成長物語なのだった。セクシュアルマイノリティーの方々が、ネットのレビューなどで「そうそう、その通り」などと共感する意見を書き込んでいた。そうなんだ。

 本作では、たすくは自分が同性愛であることで何度も打ちのめされ、ゆらぐ。スマホに同性愛サイトの履歴があるのを友人に見とがめられ「お前、そうなん?」とはやしたてられ、思わずたすくが発した言葉は「きもいわ そんなの」。自分を一番傷つける言葉を自分ではいてしまう。「ばれた後の世界なんて 地獄だ」

 そのまま夏休みに突入。部活の…

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