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「トランプ王国」を行く:2 @オハイオ州ヤングスタウン

 バーのドアを開けると、いつものように室内の隅のポップコーン製造機から甘いにおいが漂ってきた。

 土曜日の午後1時。カウンターを10人ほどの客が囲んで、アメリカンフットボールの試合を観戦していた。

 オハイオ州ヤングスタウン。鉄鋼業や製造業などの主要産業がすっかり廃れ、ラストベルト(さび付いた工業地帯)と呼ばれるエリアだ。

 バーの近くをマホニング川が流れる。かつて川沿いには製鉄所が立ち並び、通りは出勤する労働者で混雑し、警察官が3交代制で交通整理に当たるほどにぎわっていた。1950年代、この街の鉄の生産量は同規模の街では世界最大で、マイホームの保有率も全米屈指。豊かな労働者が暮らす街の代名詞のような存在だった。

 しかし、そんな面影はもうない。

 工場や民家の廃虚が目立ち、取材していると「この街は危険だから、十分に気をつけて。カメラはカバンにしまった方がいい」と若者から助言された=写真①。

 バーで待ち合わせたビクター・ヘルナンデスさん(49)は、すっかりできあがっていて、ふらふらと立ち上がった。

 「またニューヨークから運転して来たのか? クレージーだな。ここもクレージーなヤツばかりだ。カウンターにはトランプ支持者がいっぱいだ。でもな、今日はトランプに怒っている女性もいるぞ~」

 周囲がどっと笑う。プエルトリコ系のヘルナンデスさん以外は、全員が白人客だ。

 カウンターの一角で、3人の女性がビールを飲んでいた。

 少し前に第1回討論会(9月26日)が全米に生中継され、トランプ氏が1996年のミス・ユニバースで優勝したベネズエラ出身のアリシア・マチャドを「ミス子豚」と呼んだり、中南米出身というだけで「ミス家政婦」と呼んでいたりしたことが暴露された。

 女性陣はビールを片手に「トラ…

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