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 アメリカの無声映画時代の人気子役で、「無声映画時代の最後のスター」といわれる女優ダイアナ・セラ・キャリーさんが主演した、92年前の映画のフィルムが日本で見つかった。いま98歳、カリフォルニア州で健在のキャリーさんは「5歳のときに出演した映画がまさか日本で」と驚く。

 発見したのは東京在住の活動写真弁士の片岡一郎さん(38)。上映できそうな無声映画の作品をネットオークションで探していたところ、熊本県から出品された9・5ミリフィルムを見つけ、6650円で落札した。9・5ミリフィルムは戦前、劇場用映画を家庭で鑑賞するために作られた規格。保存状態は良く、「1931、DAIREN」「ペギイのお手柄」といった日本語のタイトルや字幕が入っていた。「当時中国大陸にいた日本人が撮ったアマチュア映画だと思っていた」と片岡さん。

 ところが、アメリカの映画史研究家デイビッド・ステンさんらがフィルムを検証した結果、24年にアメリカで公開されたコメディー「OUR PET(私たちのペット)」であることがわかった。主演はベビー・ペギーの名で人気だった当時5歳のキャリーさんだ。

 おてんばなペギーが大人たちを振り回すコメディー映画のシリーズが、21~24年ごろに150作以上撮られた。いまフィルムはほとんど残っていない。ステンさんは「映画史にとって貴重な発見だ」と語る。

 フィルムの長さから15分程度とみられる。フィルムは修復した後、ステンさんに託される。片岡さんは「キャリーさんに映像を見ていただきたい。フィルムをしかるべきところに寄贈し、研究に役立ててほしい」と語る。(伊藤恵里奈)