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 7月の参院選の「一票の格差」が最大で3・08倍にのぼったのは憲法違反だとして、弁護士グループが選挙の無効を求めた訴訟の判決が31日、福岡高裁であった。金村敏彦裁判長は定数配分は「違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあった」として「違憲状態」と判断した。請求は棄却し、原告側は上告した。

 金村裁判長は3倍を超える最大格差について「国会の是正措置は十分とは言い難い」と指摘した。一方で合区の導入で「格差は大幅に縮小された」とも評価。2010年参院選の定数配分を「違憲状態」とした12年の最高裁判決以降に不平等状態が是正されなかったことが国会の裁量権の限界を超えるとはいえないと結論づけた。

 同様の訴訟は二つの弁護士グループが全国の14高裁・支部で起こしている。この日の判決は12件目で、「違憲状態」が8件、「合憲」が4件となった。11月8日までにすべての判決が出そろい、その後に最高裁が統一見解を示す。

 最高裁は10年(最大格差5・00倍)と13年(同4・77倍)の参院選を「違憲状態」と判断。13年参院選については「都道府県を単位として定数を設定する現行制度を速やかに見直すべきだ」とした。こうした指摘を受けて、昨年7月には徳島と高知、鳥取と島根を合区するなど定数を「10増10減」した改正公選法が成立した。

 原告側代理人の伊藤真弁護士は「国会が是正しないことを事実上見逃すような判決だ。違憲状態の判決を繰り返しては、司法に対する信頼も失いかねない。明確な違憲・無効の判決をすべきだ」と訴えた。(張守男、井上怜)