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 学校は荒れていた。授業中に生徒が廊下をぶらつき、爆竹が鳴り、ガラスは年に50枚近く割られた。それが、変わり始めている。2年がかりで、一歩ずつ、一歩ずつ。

 静かな研修室に、方程式を解く生徒たちのシャープペンの音がしていた。10月27日夜、福岡県添田町の県立英彦山(ひこさん)青年の家。「ここを乗り越えたら、新しい世界が見えてくる。頑張って」と3年生の学年主任の男性教諭(50)らが励ました。「授業」が終わると、生徒たちは「きつー」「もう頭パンパン」と言いつつ、表情は明るかった。

 福岡県筑豊地区にある川崎町立川崎中学校が、3年生(71人)を対象に初めて開いた2泊3日の「勉強合宿」。2日目のこの日は、朝9時から45分1コマで9時間目まであった。教員8人が泊まり込み、付きっきりで指導にあたった。

 ある女子は「前は勉強が好きじゃなかったけど、わかるようになると楽しくて。将来は海外に行きたい」と目を輝かせた。スマホは持ち込み禁止で「早く帰って携帯使いたい」とぼやく男子も、将来の夢を尋ねると「ちゃんと仕事に就いて、お金を稼げて、家事も全部できる人になりたい。だから高校に行きたい」と真剣に語った。

負の連鎖絶つ

 2年前は、授業すらまともにできない時があった。一部の生徒が校内を歩き回り、爆竹を鳴らす。教師が注意すれば反抗し、ガラスを割る。給食のパック牛乳は、壁や教師の車に投げつけられ「牛乳爆弾」と呼ばれた。全体の成績は低迷。進学意欲も落ちていた。

 どうすれば負の連鎖を断ち切れるのか。2014年春に同時に赴任した縄田哲也校長(56)、教頭、学年主任らを中心に職員会議を重ねた。

 大事なのは、生徒に、なりたい職業に就く夢を持たせ、後押しすること。過去にも荒れた学校に勤めたことがあった縄田校長は「社会のルールを教え、学力を向上させることが必要だ」と考えた。

 学校では、まずルールを徹底し…

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