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 中日新聞と東京新聞に掲載された連載「新貧乏物語」第4部の一部に事実と異なる部分があるとして中日新聞社(名古屋市)が記事を削除した問題で、同社は30日付の両紙朝刊に取材の過程や削除に至った経緯などの検証記事を掲載した。29歳の男性記者による「捏造(ねつぞう)」「自作自演」があったと認定。「読者や取材先よりも作り手の都合や論理を優先する姿勢が浮かび上がった」と結論づけた。

 同社は5月19日付の中日新聞朝刊に連載3回目の記事を掲載(東京新聞では6月21日付に掲載)。その中で、病気の父親を持つ女子中学生が貧しくて教材費や部活の合宿代が払えないなどとした計3カ所に事実とは異なる記述があるとして、今月12日付の両紙朝刊におわびを掲載し、記事を削除していた。

 検証は編集局から独立した紙面審査室が担当。検証記事は、これらの記述は捏造だったと判断し、記者が「貧しくて大変な状態だというエピソードが足りないと思い、想像して話をつくった」「自分が取材している家庭が、連載で採用されなかったらと思うと怖くなった」などと説明しているとした。

 また、中日新聞の5月17日付朝刊に掲載した連載1回目の記事で、この記者がパンを訪問販売する少年を実際とは異なる場所でカメラマンに撮影させていたことについて、検証記事は自作自演だったとした。

 臼田信行・中日新聞取締役名古屋本社編集局長は「何のために報道するのか。新聞はだれのためにあるのか。自問と自戒を重ねていく」と紙面で述べ、謝罪した。

 同社は11月1日付で男性記者を停職1カ月、臼田局長を役員報酬減額、名古屋本社社会部長と社会部の取材班キャップを譴責(けんせき)の懲戒処分とすることを併せて明らかにした。