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 サッカーのJ1名古屋グランパスは3日、パロマ瑞穂スタジアム(名古屋市)であった今季最終戦の湘南戦で敗れ、J2降格が決まった。J1残留を信じて応援し続けたサポーターはがっくりと肩を落とした。

 瑞穂開催では今季最多の1万8474人が詰めかけた。前半から2点を追う展開で、愛知県春日井市の会社員松本満莉奈さん(19)は「どんな状況でも信じている」と涙を浮かべた。結局、1―3で敗れ、初のJ2降格が決まると、観客席は静まり返った。

 「残留」の大きな文字を書いた旗を掲げていた名古屋市緑区の会社員長谷川貴大さん(24)と同市瑞穂区の会社員吉田圭佑さん(25)は「やるせない。来年は『昇格』の旗を掲げたい」と話した。応援を先導した同市千種区の会社員山本真也さん(39)は「これだけの人が支えているのは誇り。みんなの力があれば、J1に戻れると思う。悔しさを次につなげ、前を向けるチームだと信じている」とエールを送った。

 試合後のセレモニーでは、グランパスの久米一正社長のあいさつが激しいブーイングにかき消された。

 愛知県の大村秀章知事は観戦後に「今年は中日ドラゴンズもドベ(最下位)だし散々だ。人気を二分する野球とサッカーでこう弱いといかんわな」と記者団に語った。ホームタウンの一つ、同県豊田市の太田稔彦市長は「1年で復帰できるよう、J2優勝を願っています」とコメントした。

親会社の支援どこまで

 「フロントも選手も、すべてにおいて実力がなかった」。グランパス会長として敗戦を見届けた豊田章男・トヨタ自動車社長は試合後、無念さをにじませた。

 J2降格はトヨタにとっても頭が痛い。今年6月には累積赤字解消のために約4千万円の増資を引き受けたばかり。地元ゆかりの出資企業約20社の中で、トヨタは最大の50・1%を出資しているからだ。

 再昇格には戦力充実が不可欠だが、J2に落ちればテレビなどへの露出が減り、広告価値が下がる。「トヨタにも株主がいる。誰かを感動させたり笑顔にさせたりするチームに変わらない限り、同じ金額での支援は難しくなる」と来季の支援縮小に含みを持たせた。

 自動車業界の盟主のトヨタだが、ことサッカーでは他社を追いかける立場だ。今季は三菱自動車が大株主の浦和レッズ、日産自動車の横浜F・マリノス、マツダが出資するサンフレッチェ広島に大きく差をつけられ、シーズンを終えた。(高岡佐也子、山本知弘)