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 過激派組織「イスラム国」(IS)が支配するイラク北部のモスルに向け、隠れて放送を続けるFMラジオ局がある。音楽のヒットチャート、生活情報、ニュース。自由を奪われた住民の心を支えるため、24時間途切れることなく声を届ける。電波と情報を武器に、ISに対する抵抗運動を下支えする。

 「イラク政府軍がモスル市街地に入った」。今月1日、ニュース番組がモスル奪還作戦の進展を伝えた。イラク第2の都市モスルには、今も100万人以上が残るとみられる。身を潜めてラジオを聞く何万もの人々を思いながら、アナウンサーは呼びかけた。「解放は近い。何とか耐え抜こう」

 ラジオ局は、2014年6月のISによる侵攻を受けてモスルを脱出したムハンマドさん(28)が昨年3月、「残された人たちを支えよう」と仲間と始めた。カンパを募って機材を購入。「希望を失わなければISに対抗できる」との思いから、「アルガッド(明日)」と名付けた。

 モスルに隣接するクルド人自治区のクルディスタン地域政府(KRG)の協力を得て、手作りのスタジオを開設。モスル周辺4カ所に送信機を設置した。四つの周波数で同時放送することでISの妨害をかいくぐる。逆に、ISが「戦果」の宣伝などに使うラジオ放送を妨害して中断に追い込むこともある。

 IS支持者による攻撃を避けるため、スタジオの所在地や関係者の氏名はすべて極秘だ。ムハンマドさんは、「僕の親すらこの活動のことは知らない」と述べた。

 ISはモスルの住民を孤立させ…

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