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 妊娠中に血圧が上がり、重症だと母子の命にかかわる妊娠高血圧症候群の治療に、ビタミンの一種が有効であることを東北大などのグループがマウスの実験で確かめた。胎児に影響はなく、妊婦でも服用できる薬につながる可能性があるという。米科学アカデミー紀要電子版に発表した。

 同大の高橋信行准教授らは、ビタミンB群のニコチンアミドが血管を収縮させるホルモンの働きを抑えることに注目。遺伝子操作で妊娠高血圧症候群を起こしやすくした2種類のマウスに対して、妊娠中に体重1キロ当たり1日500ミリグラムのニコチンアミドを与えると、血圧の上昇が抑えられ、早産や流産が減ることを確認した。体重60キロの人では1日2・5グラムに該当するという。高橋さんは「人での効果と安全性を確かめ、妊婦の治療への応用を考えたい」と話す。

 ニコチンアミドは薬の成分やビタミン剤に使われ、食品にも含まれる。不足すると血行障害などを起こすが、取りすぎても尿として排出され、重い副作用は報告されていない。

 妊娠高血圧症候群は、血管の壁が厚くなったり、胎盤の血管がうまく形成されなかったりして起きると考えられ、日本では年間2万人がなるとされる。妊婦が服用可能な降圧薬もあるが、血流が減ることで胎児の成長に影響する可能性が指摘されている。(福宮智代)