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 指定暴力団工藤会(北九州市)系組幹部の裁判員裁判をめぐり、裁判員に声をかけて脅したとして裁判員法違反(威迫・請託)罪に問われた男2人の公判が16日、福岡地裁(中田幹人裁判長)でそれぞれあった。検察側は「裁判員制度の根幹を揺るがす」と指摘し、2人に懲役1年を求刑し結審した。判決は来年1月6日。

 2人は元工藤会系組員、楠本利美被告(40)と会社員中村公一被告(41)。楠本被告は威迫や請託の意思はなかったとして無罪を主張。中村被告は起訴内容を認めており、弁護側は執行猶予付き判決を求めた。

 検察側は論告で、楠本被告は組幹部と親しく、裁判員に話しかけることで有利な審判になるよう暗に依頼する意思があったと主張。また中村被告については、起訴内容は認めているものの、公判期間中に「検察官の質問は手短に」と記した書面を検察官に送るなどしており、真摯(しんし)に反省しているとは認められないと指摘した。

 起訴状によると、両被告は5月10日夕、福岡地裁小倉支部であった知人の組幹部の初公判後、近くの路上で女性裁判員2人に「よろしく」などと声をかけ、請託や威迫をしたとされる。(張守男、稲垣千駿)