【動画】若戸渡船の航路には、かつてカーフェリーも行き来していた=佐々木康之撮影
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 九州随一の工業地域、北九州市の洞海湾を横断する旅客船がある。「ポンポン船」の名で親しまれる若戸(わかと)渡船。市渡船事業所が運航し、戸畑渡場(わたりば、戸畑区)と若松渡場(若松区)間の400メートルを3分で結ぶ。朝5時55分の戸畑発から夜10時半の若松発まで28往復。通勤、通学などで利用する約1500人を、毎日運んでいる。

 この航路を半世紀余り前まで小さな貨物渡船が走っていたという。桟橋に渡して車両を乗り降りさせるランプドアとスクリュープロペラを前後に備え、向きを変えずに航行できる。その構造はそう、カーフェリーだ。

 日本海事センター(東京)の臼井潔人・企画研究部次長に話を聞いた。海運のあれこれは、大抵ここで知ることができる。臼井さんは1934(昭和9)年3月28日、若戸間で貨物渡船の運航が始まったと説明した後、こう言った。「日本初のカーフェリーと言われています」

 往時を知ろうと、戸畑渡場2階の市渡船事業所を訪ねた。応対してくれた浅井太輔次長は、41(昭和16)年刊行の「若戸共同渡船沿革史」のあるページを示した。

 運航ノ結果ハ期待ニ背カズ(中略)北九州各都市間ノ貨物運輸上ニ一大変動ヲ来タシ(中略)視察見学ノタメ各都市ヨリノ訪客ハ年々相当数ニ上ルト云フ状況ナリ

 筑豊炭田から鉄道で運ばれた石…

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