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 次の米副大統領になるペンス氏が18日、ニューヨークで人気ミュージカル「ハミルトン」を観劇した。その際、舞台あいさつで役者の一人が新政権への不安を告白し、「私たち全員のために働いて欲しい」と訴えた。ペンス氏は笑いながら退場したが、19日になってトランプ次期大統領がツイッターで役者たちを批判し、謝罪を求める事態に発展した。

 トランプ氏はこれまでも、自分への批判などに敏感に反応し、ツイッターなどを通して反撃をしてきた。大統領になることが決まってからも、行動パターンは変わらないようだ。

 ツイッターに投稿された動画によると、ペンス氏は劇場に到着した際、ブーイングと拍手で迎えられた。終演の際には、黒人の役者が観劇に感謝したうえで「私たちは、あなたの新政権が私たちや、私たちの惑星、子供、親を守らないことを不安に思い、警戒している多様な米国だ」と発言。「この作品が、米国の価値観を維持し、私たち全員のために働いてくれるきっかけになったと願う」と述べた。ペンス氏は立ち止まって聞き、笑顔で退場したという。

 19日朝になって、トランプ氏はツイッターで「私たちの素晴らしい将来の副大統領が、ハミルトンの俳優によってハラスメントを受けた。これは起きてはならない」「劇場は常に安全で特別な場所でなければならない。ハミルトンの俳優たちはとても失礼だった。謝れ!」と発信し、痛烈に批判した。あいさつした俳優はツイッターで「会話はハラスメントではない」と返信し、ペンス氏が立ち止まって聞いたことに感謝のメッセージを送ったが、トランプ氏は答えていない。

 「ハミルトン」は米国の建国の父の一人、アレキサンダー・ハミルトン初代財務長官の生涯を描いた作品。配役の多くはマイノリティーで、演出では現在の米国の多様性や、移民の貢献が強調されている。昨年に始まってから大ヒットとなり、現在もチケットの入手が困難だ。米国のミュージカル関係者は民主党支持者が多く、「ハミルトン」も、民主党や大統領候補だったクリントン氏の資金集めなどに協力してきた。クリントン氏も、党大会演説で「ハミルトン」の歌詞を引用するなどしてきた。(中井大助