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 ドイツのメルケル首相(62)は20日、党首を務めるキリスト教民主同盟(CDU)の会合で、来年秋の連邦議会選(総選挙)に首相候補として立候補し、4期目を目指す意向を表明した。DPA通信が伝えた。国内で難民受け入れ政策への反発が強まっているが、リベラル派のリーダーとして引き続き、国内外で中心的な役割を担いたい考えとみられる。

 メルケル氏は20日夜(日本時間21日未明)に記者会見を開く予定で、この場で立候補を表明するとみられる。現在は3期目で、勝利して任期を全うすれば4期16年となり、コール元首相とならんで戦後の歴代最長となる。現在、すでに主要7カ国(G7)や欧州連合(EU)加盟国の首脳の中では最も長い。

 メルケル氏は昨年夏、シリアなど中東から欧州に押し寄せる難民申請者に対して、大規模な受け入れを表明。その後、難民らによる犯罪が相次いだことと相まって批判が高まり、支持率は今年9月発表の世論調査で、過去5年で最低(45%)を記録。地方の州議会選でもCDUが苦戦し、難民排斥を訴える新興右派政党の台頭を許した。

 一方で、強い経済力も背景に、英国の欧州連合(EU)離脱後をにらんで欧州のまとめ役を買って出るなど、国際政治の舞台で指導力を発揮する局面が増えている。米大統領選でのトランプ氏の勝利を受け、「西側リベラルの最後の守り手」(米ニューヨーク・タイムズ紙)とも評される。

 メルケル氏は旧東独の物理学者で、1989年のベルリンの壁崩壊をきっかけに政界入りした。00年にキリスト教民主同盟の党首となり、05年から首相。東日本大震災の原発事故を受けて、22年までの原発の全廃を決めた。(ベルリン=高野弦)

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